エイズとHIVについて |
■世界と日本のエイズ患者と感染者数
厚生労働省の報告によると、日本国内における2004年1年間の新規HIV感染者は748件、エイズ患者は366件。累計では、HIV感染者6,527人、エイズ患者3,257人となっています。 この数字、多いですか?少ないですか? 患者数はここ数十年増え続け、感染に気づいていない人も含めるとその数は数倍とも言われています。そして厚生労働省は2010年までに5万人を突破するだろうとも予想しています。
また世界ではすでに約310万人もの人がエイズにより命を落としており、今や世界共通の社会問題となっています。HIV感染者に至っては全世界で約3,940万人にもなるのです。
毎年12/1は【世界エイズデー】と定められ、多くの企業や有名人らがイベントを開き、ストップ・ザ・エイズを呼びかけています。 このまま感染者が増え続けると世界はどうなってしまうのでしょう。 「自分には関係ない」と思わず、偏見をなくして正しい知識を持つところからはじめてみてください。
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■HIVとエイズの違い
HIVとは、正式名称Human Immunodeficiency Virus=ヒト免疫不全ウイルスというウイルスの名称であり、Acquired Immuno
Deficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)=エイズとは病気の名前です。 HIVとAIDSは深く関係していますが、別物です。
HIV感染者というのは、HIVウイルスを持っているということ。そしてそのウイルスが病気として発症するとエイズ患者となります。 ウイルスを持っている人すべてがエイズを発症するわけではありませんが、だいたい、感染してから約10年という非常に長い潜伏期間をおいて発症します。
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■エイズになると一生治らない?
たしかに現代の医学では、AIDSを完治させる方法はまだ見つかっていません。 しかし、HIVに感染しても、体内でHIVの増殖を抑える薬が開発されていますので、エイズが発症するのを遅らせることはできます。 医学は年々進歩していますので、発症を遅らせるうちに完治させる薬ができる可能性は十分残されています。
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■エイズが増え続ける原因
■SEXをする年齢が下がっている
セックスをすること自体が悪いわけではありません。
しかし、エイズや性病、避妊などの正しい知識を持たない幼い年齢から行為をしてしまうのは非常に危険なことです。
クラミジアなどの性病や、望まない妊娠も増えています。
当然、年を重ねるにつれ必然的に相手の数も増えるでしょうから、自分がHIV感染と知らずにウイルスをばらまく可能性も出てきます。
■広がる薬物・売買春・不特定多数とのセックス
エイズにはピンとこない人でも、ドラッグというと既に身近な問題に思える人も多いのではないでしょうか。
HIVは他人の血液や体液から感染します。注射器の回し打ちなんて、冷静に考えればとても危険だと思いませんか。健康診断などで採血する時は必ず注射器をその都度交換するのが常識ですよね。
また薬物摂取により理性をなくしたまま、結果的に避妊をせずにセックスしてしまうのもよくある話です。
■オーラルセックスの普及
現在、感染経路で一番多いのはセックスですが、それは『イコール挿入だけが危ない』と言っているわけではありません。
今や一般的な行為となっているオーラルセックス(フェラチオやクンニリングス)により、精液や膣分泌液が相手の口の中の粘膜に触れて感染する危険があるのです。
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■どこから感染するのか
人に感染させるだけのHIV量が含まれているのは、【血液・精液(射精前のカウパー液も含む)・膣分泌液・母乳】の4つです。 これらが粘膜部分や、傷口に濃厚に接触した場合に感染する可能性があります。(軽いキスや、プール、日常生活での接触などでは全くと言っていいほど、感染の危険はありません。HIVウイルスは非常に感染力の弱いウイルスでもあるのです。
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■予防法
セックスによる感染を防ぐには、コンドームを正しく使用することが一番効果的です。 射精前から分泌されるカウパー液にもウイルスを含んでいるので、挿入前からきちんと装着する、フェラチオの際にも装着する、などが大切です。
女性の方が男性よりも性器の粘膜部分が広いため、感染しやすい面積が男性よりもずっと広いのです。それなのに、避妊や性病予防を男性まかせにしている女性側にも問題があると言えます。
自分から『コンドームをつけて』と伝えるのは、はずかしいことでも何でもありません!
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■もしかして感染したかも?心配になったら・・・
HIV感染の検査は、少量の血液から通常約1〜2週間で結果がわかります。 独自の抗体検査を行うので、通常の健康診断の血液検査などでは判定できません。全国の保健所や医療機関などで匿名で検査を行ってくれるので、一度問い合わせてみると良いでしょう。最近では即日検査結果がわかるところも増えてきました。 (→HIV検査相談MAP) 医療従事者には守秘義務がありますので、名前などが漏れる心配はまずありません。 (とはいえ、個人情報漏洩が毎日のようにニュースで取り沙汰されると不安にもなりますが・・・HIV感染しているかどうか自分でハッキリさせることの方が優先ではないかと、個人的には思います。)
最近ではインターネットを通じて自宅で検査できるキットも販売されています。(商品購入の流れなど詳しい説明はこちらに)郵送して、国の認可を受けた登録衛生検査所で正しい検査を行い、インターネットなどで検査結果を確認することができます。 どうしても保健所や病院へ行くのが怖かったり抵抗のある人は利用してみると良いでしょう。HIVだけではなく、クラミジアなどの各種性病も検査できます。 →STD研究所
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